※アイキャッチ画像の出典:RICOH
2021年9月14日、何の前触れもなく突然RICOH GRIIIの兄弟機となるRICOH GRIIIxが発表されました。GRIIIとの違いはレンズが35mm換算で40ミリという点だけ。GRIIIは28ミリ。
GRIII/GR3を登山で使うことを推している私としましては、突然発表されたGRIIIx/GR3xについて何もアクションを起こさないのは良くないのではないかと思い、この40ミリのGRIIIxを登山で使うのはどうなのか?という点を切り口にしてレビューすることにしました。
それと、GRIIIxの発売日は、2021年10月1日だそうです。
画角40ミリってどうよ
まず、人間の視野角に最も近い画角は50ミリと言われています。
GRIIIxの40ミリは人間の視野角よりも若干広角な画角を持ったカメラであり、人間の視野角に近いという事は、実際に自分が見ている空間のこの部分を写真として切り取ろうというイメージと合致するため、使いやすいだろうと思われます。
一方、目で見えている景色を写真として幅広く切り取りたい場合は、40ミリだと諦める必要が出てくると思います。とは言ったものの、景色を少しづつ横にずらして撮影し、写真の編集ソフトでパノラマ写真にする方法もあるので、広大な景色の写真を求めるのであれば編集に手間を掛ければOKです。
余談となりますが、写真のベテランになればなるほど、お気に入りの画角が28ミリ→35ミリ→40ミリ→50ミリ→70ミリの様に上がっていくということを聞いたことがあります。それは、作品として撮影するときに、肉眼で見えているうちのココ!を切り取るという取捨選択ができるためらしいです。
けっして老眼が進むから範囲を狭くして大きく撮影する必要があるからという訳ではない。。。かるくディスりました。すみません。
28ミリで広範囲に撮影して後でトリミングするのではなく、40ミリで一発で決める技術力を養い、玄人に一歩前進するカッコ良さを感じますね。
登山で40ミリを使うイメージは?
登山で40ミリを使う私のイメージとしては、登山口の入り口から山頂までの間、スナップとしてパシパシ撮影するのに向いているんじゃないかなと思います。
仲間と山行する場合、仲間に近づかなくても程良い画角で写真が撮れますので、自然な表情の写真が撮影でき、思い出を記録としてガンガン残せると思われます。カメラを近づけると身構えてしまう人って多いですし。
GRIIIの28ミリは広角なので余計なものが入ってしまう事があり、回避するために被写体に近づくか、35ミリ、50ミリのクロップ機能で除外して撮影することになりますが、GRIIIxの40ミリであれば人間の視野角と近いために良い感じで撮影できそうです。
なお、GRIIIxのクロップ機能は50ミリ、71ミリとなっていますので、結構範囲を狭くすることができると思います。
※クロップ機能をご存じでない方向けに簡単に説明しますと、撮影した後に写真編集ソフトなどでトリミングして切り取る事があると思いますが、それを撮影時に行うことをクロップ撮影と言います。従って、クロップ撮影した写真はファイルサイズが小さくなり、画素数も少なくなります。
画素数が少なくなるんじゃ写りが悪いんじゃないかと思われるかもしれませんが、GRIIIの50ミリクロップやGRIIIxの71ミリクロップは700万画素相当の画質なのでSNSに投稿してもスマホ画面サイズやパソコンの画面サイズでは違いが分からないレベルです。A3サイズに印刷しても分からないと思います。A1サイズに印刷すると分かるかな?
ちなみにGRIIIの35ミリクロップ、GRIIIxの50ミリクロップは1,500万画素相当の解像度になります。
山頂や見晴らしの良い稜線などで広大な景色を映したい場合は、40ミリは何枚か撮影して後でパノラマ写真に編集するのが良いのではないかと思います。
登山で28ミリを使うイメージは?
GRIIIの28ミリを使うイメージですが、28ミリは広角なので幅広く写ってしまいます。なので登山口から山頂までの間は、余計なものが写らない様に被写体に近づいたり、クロップを使ったりして撮影する感じです。
山頂や稜線では、広角を活かして気兼ねなくパシパシ撮影する。ただし、特に意味もなく撮影した風景写真は後で見た時にのんべんだらりとしていてツマラナイ写真になりがちです。なので、主題、副題を決めて撮影する努力をする。
それと、広角の良いところは被写体に近づいて撮影すると、良い感じの写真になりやすいという点が挙げられます。例えば、道標に近づいて撮影すると、遠近感が出て奥行きのある写真を撮ることが出来ます。あとはそうですね、縦構図で倒木や岩などに近づいて下の方に入れると奥行き感がグッとでます。
スペックのおさらい
GRIIIとGRIIIxの主要スペックを並べて比較し、おさらいします。
主要スペック | GRIII | GRIIIx |
---|---|---|
撮像素子 | 種類:原色フィルター/CMOS、 サイズ:23.5mm×15.6mm(APS-Cサイズ) | ← |
有効画素数 | 2424万画素 | ← |
感度 | ISO100~102400 | ← |
手振れ補正 | 撮像素子シフト方式(3軸4段) | ← |
レンズ | 18.3ミリ(35ミリ判換算で28ミリ相当)、F2.8 | 26.1ミリ(35ミリ判換算で40ミリ相当)、F2.8 |
ファイル形式 | 静止画:RAW(14bit)、jpeg(Exif2.3準拠) 動画:MPEG4 | ← |
撮影距離 | 標準:約10センチ~∞ マクロモード:約6~12センチ | 標準:約20センチ~∞ マクロモード:約12~24センチ |
シャッタースピード | 1/4000~30秒 | ← |
クロップ | 35ミリ、50ミリ、オフ | 50ミリ、71ミリ、オフ |
モニター | 3.0型TFTカラーLCD | ← |
無線LAN | IEEE 802.11b/g/n | ← |
Bluetooth | あり | ← |
防塵・防滴 | なし | ← |
撮影可能枚数 | 200枚 | ← |
外形寸法 | 約109.4(幅)×61.9(高)×33.2(厚)ミリ | 約109.4(幅)×61.9(高)×35.2(厚)ミリ |
重さ | 約227グラム(本体のみ) 約257グラム(バッテリー、SDカード含む) | 約232グラム(本体のみ) 約262グラム(バッテリー、SDカード含む) |
並べて比較すると一目瞭然ですが、レンズが違うことで撮影距離、クロップに差異があります。
また、若干ですが厚み、重さにも差異があります。
外観を見た感じは、ほぼ同じ。
レンズ部分に18.3ミリとか、26.1ミリと白い文字で小さくプリントされていますが、そこが違う程度なのでよ~~く見ないと分からないです。
もしGRIIIとGRIIIxの2台持ちをする場合は、リング部分の色を変更するか、「28ミリ」「40ミリ」のテプラを貼るかなどの工夫をする必要がありそうです。
まとめ
GRIIIとGRIIIxは、基本的にはレンズが異なるだけでした。
28ミリと40ミリを登山でどの様に使うかについてイメージを記載してみましたが、資金に余裕のある人は2台持ちが良いんじゃないでしょうか。2台で500グラム程度なので、ミラーレス一眼よりも軽いです。
それはそうと、28ミリと40ミリのどちらかを選ぶとしたらですが、私が一眼レフ時代に撮影した写真の画角を整理したところ圧倒的に広角で撮影した写真が多かったため、私には28ミリのGRIIIが向いていると思われます。
ということで、自分の好きな画角の機種を選ぶと良いと思います。
もし、自分の好きな画角が分からない人は、28ミリのGRIIIを選んでおけば登山ではきっと大丈夫でしょう。
もし購入後に広く写りすぎて使いにくいと感じた場合は、常に50ミリクロップで撮影し、広範囲を撮影したい場合にクロップをオフにして28ミリで撮影する運用にすると解決できそうな気がします。
もしくは、常に28ミリ&パンフォーカス(F16程度にして近景から遠景までピントを合わせた状態)で撮影しておき、家に帰ってから編集ソフトを使用して良い感じにトリミングするのも、現像する楽しみが増えて良いかもしれません。
私は後者かな。ただ、GR3のRAWファイルは、イメージコントロールが適用されてない状態で保存されていますので、色づくりのクオリティなどはご自身のテクニック次第になります。
ちなみに、モノトーンで撮影してもRAWファイルはカラーで保存されています。
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