中山製靴 J6の慣らし履きと課題

服装
この記事は約6分で読めます。

革の登山靴は、最初は革が硬いため、革が足に馴染むまで慣らし履きをする必要があるということで、私もその例外にもれず慣らし履きを低山で行いました。

私の住む茨城県南部には、宝篋山(ほうきょうさん)という標高460メートル程度の低山があり、ここの登山道はやや傾斜もあり、登山靴の慣らし履きをするには良い感じなのです。
駐車場から山頂のピストンで概ね3時間程度の行程になります。

この宝篋山で慣らし履きを行い、登った都度、課題が顕在化し、その対策をして次回に挑む感じで計5回の慣らし履きを行いました。
まぁ、100点満点のシンデレラフィットに至ってはいませんが、もっと長い時間を歩いても大丈夫そうだと判断して5回目で慣らし履きを止めにしました。

その時に顕在化した課題とその対策などを整理しておきます。

前回までの記事はコチラ↓
中山製靴 J6を磨いて仕上げてみる
中山製靴 J6にレザーワックスをぬりぬりする
オーダーメイドの登山靴 中山製靴 J6 フィット感が素晴らしい!

スポンサーリンク

第1回目 革靴の洗礼をうける

結論から申し上げますと、1回目の慣らし履きにおいて、思いっきり右足のカカトが靴擦れし、10円玉くらいの面積でカカトの皮がめくれてしまいました。痛かったですぅ(ToT)/~~~

極厚のソックスを履いていましたが、そこは革靴、手強いです。
標高460メートルほどの低山ですが山頂まで行くことが出来ず、途中敗退と相成りました。

ここからが重要です。
なぜ、思いっきり靴擦れをしたのか? この原因を突き止める必要があります。
考えられる原因を下記に羅列します。

  1. 革が硬いため靴が反らずにカカトに負担がかかった。
  2. シャンク追加のカスタムをしたため、靴底が硬めで靴が反らずにカカトに負担がかかった。
  3. 靴底を重登山靴と同じ分厚いビブラムにカスタムしたため、靴底が硬めで靴が反らずにカカトに負担がかかった。

そうです。靴底を硬くしていて、かつ革が硬いために、靴が反らずにカカトが付いてこなくて擦れて靴擦れが発生したと考えられます。

それと、歩き方にも原因があると考えられます。
今まではどちらかというと左右の足を平行にして歩いていましたが、革靴の場合はガニマタで歩いた方が良いらしいのです。それには理由があり、足を平行にして歩くと、登りで後ろ側の足で地面を蹴る様な形になり、その時に後ろ側の足のカカトに負担がかかるらしく、ガニマタだと後ろ側の足のカカトの負担が減るそうです。

次回への対策としては下記2点。

  1. カカトの靴擦れを防止するシールをカカトに貼る。
  2. ガニマタで歩く。
スポンサーリンク

第2回目 下りでつま先付近が痛い

第1回目の慣らし履きでの課題対策を頭に入れ、第2回の慣らし履きに行きました。
カカトの靴擦れは再現せず、宝篋山の山頂から筑波山ビュー、霞ケ浦ビューを堪能できました。

その下りにおいて、途中から両足のツマサキの小指付近に痛みが出るようになり、靴紐の締め具合を何度も調整しましたが痛みは治まらず。歩けなくなる程の痛みではなかったため、そのまま下山しました。

この原因は何なのか?
それは、革靴の中底が革製のためソックスが前スベリしていることが原因と断定しました。

それと、足を採寸してオーダーで作ったのに、つま先の窮屈感を感じていました。この窮屈感は一体何なのか? そう思って裸足で登山靴を履いてみたら、実に良い感じ。つま先の窮屈感など全く感じませんでした。ということは、極厚ソックスが合っていないのだろうということで、普通の厚さのソックスを使用することにしました。

前スベリ防止には、「ハニカムキュートジェル」というハーフインナーソールを使用してみることにしました。この商品に関するレビューはコチラ↓
登山靴の前スベリ防止にハニカムキュートジェル

第3回目 足の裏が痛い

第1回目、2回目の課題対策を行いつつ、第3回目の慣らし履きに行きました。

登りは全く問題なしで良好でした。
下りでは、前回発生した前スベリは「ハニカムキュートジェル」のおかげで発生せず。
しかし、下りでハニカムキュートジェル付近の足の裏に少し痛みを感じました。歩けなくなるほどの痛みではないため、少し我慢すれば大丈夫な範囲です。

この痛みを何度も繰り返せば足の裏が強くなり、痛みを感じることは無くなるのだろうと推測はできましたが、そんなに時間をかけるのもなんだかなーって感じで、別の対策を考えることにしました。

その対策ですが、ソックスに滑り止め加工をすることで前スベリを防止できるはずと思い、ソックスに塗る「スベラナイン」という滑り止め剤を使う事にしました。この商品に関するレビューはコチラ↓
登山靴の前滑り防止にソックスの滑り止め スベラナイン

第4回目 またもや足の小指付近が痛い

第1回目~3回目の課題対策を行いつつ、第4回目の慣らし履きに行きました。

前回同様に登りは全く問題なしで良好でした。
下りでは、ソックスの滑り止め加工が利いて前スベリは発生しませんでした。

が、下りの途中で足の小指付近に痛みが。。。(ToT)/~~~
靴紐のつま先付近を緩めに締めてみると、痛みを除去することができました。
その状態で下っていくと、またもや小指付近に痛みが。。。靴下の前スベリ策は利いているのに、一体何が悪いのか考えてみました。

その原因は靴紐でした。
細めの丸紐を使用していたのですが、下山時に足の甲あたりの紐が広がり、その分つま先付近の紐が締め付けられて足の小指が痛くなっている様でした。

そこで、緩みにくいと言われている平紐を丸紐の代わりに購入することにしました。

第5回目 なかなかイイカンジになってきた

第1回目~4回目の課題対策を行い、第5回目の慣らし履きに行きました。

登りは全く問題なしで良好。
下りではソックスの滑り止め加工と、平紐が利いてくれて、前回のつま先付近の締め付けがキツクなる事象は発生しませんでした。

いよいよ慣らし履きを終え、次回本番デビューとなります。

本番デビューはどこの山?

工程が長すぎず、かつ、それなりの歩きごたえのある山ということで、山梨県河口湖にある三つ峠山に行くことにしました。
達磨石登山口~三つ峠山(開運山)のピストンになります。

登りでは全く問題なしで良好。
下りでは、途中で若干小指付近に痛みを感じましたが、歩けなくなる程の痛みではないため、そのまま下山してしまいました。

なかなか100点満点のシンデレラフィットには育っていませんが、80点といった感じでしょうか。
これからも山行を重ねて、私の足に馴染んでシンデレラフィットすることを夢見て行きたいと思います。

その後

三つ峠山で革靴デビューしまして、その後は下記山行で使いました。

  • 上高地~焼岳ピストン
  • 瑞牆山(みずがき山自然公園~富士見平~瑞牆山ピストン)
  • 両神山(日向大谷~両神山ピストン)

焼岳では、下りの途中で足の小指付近に痛みが生じ、靴紐の結び直しを2度ほど行いました。

瑞牆山でも同じ症状が発生し、つま先側の一番前の靴ヒモの穴を通さずに2番目の穴から使うようにしたところ痛みは生じなくなりました。

平紐でも下りで足の甲側の結びが広がり、つま先側が締め付けられる事象が出るようになってきたため、どうしたら良いのかを考えました。その結果、甲の部分で紐を一度結んでしまえば広がることが無くなるんじゃないかという推測で、両神山に挑みました。

両神山を登ったことがある方なら分かると思いますが、それなりの傾斜がある登山道です。距離もそれなりにあります。
ですが、結び方を変えて挑んだ結果、小指が痛くなる事象は発生しませんでした。
従いまして、次回以降はこの紐の結び方で行こうと考えています。

 ↑
この写真の様に、フック部分に引っ掛ける前に一度紐を結んでおきます。
後は普通にフックに紐を引っ掛けて結ぶだけとなります。

まとめ

革の登山靴は、足に馴染むまでは慣らし履きをした方が良いです。
色々と課題が顕在化することと思います。

登山は、7~8時間歩くことはざらにありますので、慣らし履きをせずにいきなり本番は靴擦れなどのリスクが高いです。歩けないくらいの痛みが発生すると、遭難になってしまいますので。。。

シンデレラフィットを目指し、革の登山靴を育てていきましょう。

コメント

  1. 人生最後の革製軽登山靴がほしいな、と考えてJ6を知り、行きがかりでこの記事を読みました。
    自分も、登山靴が合わない痛みのつらさを知ってますから、痛みの原因を推測してその対処を図る本記事は、革製登山靴が衰勢の一途をたどるこの時世にあえてそれを求めるひとにとって、わかりやすい手引きになると思います。

    • コメントありがとうございます。
      つたない文章での記事にて、はなはだ恐縮ですが、シンデレラヒットを目指しつつ試行錯誤しております。
      今ではだいぶ良くなっており、あと半年もすればシンデレラフィットになるんじゃないかと推測してます。

      購入半年後あたりで中山製靴に相談した際には、j6は1000DXなどのハイカットとは靴型が異なり、つま先付近が狭い靴型を使っているとのことでした。
      また、靴を使用済みの状況ですが、調整で多少は広げることが出来るとのことでした。
      しかし、歩けなくなる程の痛みではないため、自力で広がるのを待つ方針となりました。
      革靴を育てる楽しみを味わいながら付き合っていこうと思います。