この記事の対象者
- 初めての山岳用テント購入を考えている人
- ニーモのアトムが気になっているが、購入の決定打にあと一押し欲しい人
- アトムのテント本体以外に何を買う必要があるか知りたい人
- 既にアトムを購入したが、自分の選択は間違っていなかったと安心したい人
はじめに
初めて山岳用テントを購入する場合に、テントメーカーが沢山あって、そのメーカーからも色々なモデルがラインナップされていると、どれを選んで良いか悩みますよね。しかも、山岳用テントは4万円以上して高級であり、ホイホイと買い替えなんてできないため、間違いのない一品を購入したいところです。
なお、山岳用テントの選び方のポイントについては、下記リンク先のページを参照していただくと知識として習得できますので、是非読んでみてください。
【テント泊初心者】登山用(山岳用)テントの選び方のポイント
ここでは山岳用テントの選び方のポイントを習得していることを前提として、「ダブルウォール+自立式+長辺入り口」タイプのテントの中から、テントメーカーのNEMO(ニーモ)からラインナップされているATOM(アトム)をご紹介します。
ニーモ アトムのおすすめポイント
ポイントその1 素材と重量と価格のバランス
ニーモ アトム1P(1人用)の重量はカタログ値で「1.28キログラム」となっており、概ね1.3キログラムといったところですが、この重量は山岳用ソロテントでは軽い方ではありません。
ニーモには、山岳用テントのフラッグシップとして「TANI(タニ)」というモデルがラインナップされていますが、こちらのタニ1P(1人用)の重量はカタログ値で「1.06キログラム」となっており、アトム1Pの方が「0.22キログラム=220グラム」重いモデルとなっています。
この重量の差は何が要因なのかですが、下記のタニ1Pとアトム1Pの比較表を見ていただくと一目瞭然です。
項目 | TANI 1P(タニ1P) | ATOM 1P(アトム1P) |
---|---|---|
本体素材 | 15Dナイロン/メッシュ | 40D ナイロン/メッシュ |
フロア素材 | 15D Sil/PeUナイロン | 75D PeUポリエステル |
フライ素材 | 15D Sil/Silナイロン | 20D Sil/PUナイロン |
大きさ | 202×105×103cm(幅×奥行×高さ) | 210×90×105cm(幅×奥行×高さ) |
重量 | 1.06キログラム | 1.28キログラム |
定価 | 51,000円(税抜き) | 36,000円(税抜き) |
そう、アトム1Pの方が各布地パーツの素材が厚くなっています。本体素材を例にすると、タニ1Pは15D(デニール)、アトム1Pは40D(デニール)とアトム1Pが倍以上の厚さになっています。
フロア素材、フライ素材も同様に厚くなっています。また、フロア素材もアトム1Pがポリエステルで、タニ1Pがナイロンという違いがあります。ポリエステルよりもナイロンの方が軽くなりますがコストは上がります。
フロアの面積は、タニ1Pの方がアトム1Pよりも広い設計になっていますので、タニ1Pはニーモのフラッグシップモデルということで、アトム1Pよりも広くて軽い作りになっていることも分かりますね。
論点がズレましたので元に戻しますと、素材の布地が薄いとテントの設営場所に気を遣う必要があるため、初めて山岳用テントを購入される方は、アトム1Pの様な良い感じに厚みのある素材のテントを選んだ方が、設営場所に神経質にならずにテントを張ることができます。
テント泊をガンガン行ってテント泊のノウハウを習得し、アトム1Pがヘタレてくる何年か後にはもっと素晴らしいモデルが発売されるでしょうから、そこでステップアップする楽しみができると思います。
アトム1Pの重量は「1.28キログラム」なので、他メーカーのソロテントと概ね同じくらいの重量かと思います。登山では「軽さは正義」ではありますが、アトム1Pは耐久性のある素材を採用しての重量であるため、トータルバランスは素晴らしいと思います。
定価も税込みで40,000円を切っていますので、初めて山岳用テントを購入される方にとっては嬉しい価格設定になっています。
ポイントその2 入り口が大きい
アトムは長辺入り口タイプなのですが、その入り口が概ね長辺側一面となっており、ガバッと開きます。体の大きな人でもテントの出入りが楽にできます。他の長辺入り口タイプのテントにおいては、入り口の幅が長辺の半分程度のモデルが多い様です。
それと、この大きな入り口の下半分程度がメッシュ構造になっています。これは、樹林帯のテント場においては、夏場にはベンチレーションが利いて快適な睡眠を得ることができる機能になります。
暑いとなかなか寝れませんし、寝不足は体力にも影響しますので、楽しい登山に影響が出るのはもってのほかです。登山は、早寝早起きと十分な睡眠が重要になります。
ポイントその3 新色のキャニオン
テントのフライシートの色は、黄色、オレンジ、水色、緑が多く、混雑したテント場では自分のテントを見失うリスクがあります。同じ黄色でもメーカーによって色合いが異なっているのですが、モンベルやアライテント(ライペン)は2大巨塔というべき程のシェアがありますので、これらのメーカーのテントをご利用の場合は何かしらの目印をしておかないと間違いなく見失うでしょう(国産メーカーなので、シェアがあるということは、それだけ良いモデルという証拠でもあります)。
ニーモはグリーンがメインカラーになり、ニーモグリーンと表現すべきか定かではありませんが、一目でニーモと分かる緑色が特徴です。しかし、ニーモの利用者も増えてきており、涸沢や雷鳥沢の様な混雑するテント場を利用する場合は目印が必要になると思います。
で、アトム1Pの最新モデルには、グリーンの他に「キャニオン」と呼称するブラウン系の色が追加されました。ブラウン系のテントは少ないため、混雑するテント場でも見失うリスクが極力減ること間違いありません。
ニーモ アトムをテント泊で使用する為に必要なもの
ニーモのアトム1P(1人用テント)を購入して、そのままでテント泊に使用できるかというと、そうではありません。ここでは、テント泊に最低限必要になるものをご紹介します。
テント本体 アトム1P
テント本体+フライシート+ペグ(7本)は標準装備されています。
グランドシート(フットプリント)
アトムはフロア素材が75D(デニール)ありますが、グランドシート(フットプリント)を使用した方がフロア素材を痛める心配を払拭できます。それと、テント本体が汚れないため片付けが容易になります。
追加ペグ(最低でも4本)
標準装備の7本のペグだけでは、フライシートを留めると使い切ってしまいます。風が強い時は4箇所の張り綱をペグで固定する必要があるため、追加ペグを最低4本は用意する必要があります。
張り綱(テントロープ)と自在金具
涸沢の様な岩場のテント場においては、ペグを打つことができないため張り綱を使用し、岩などに括り付けてテントを固定します。普通のテント場でもペグを使用せずに岩や木に張り綱で括り付けることもありますので、必需品と言えます。
※張り綱(テントロープ)をハサミで切った後は、末端をライターの炎であぶり、末端処理をしてください。良く分らない場合は、テントロープと自在金具がセットになった商品が販売されているので、そちらをご利用になられると便利です。
まとめ
山岳テントを初めて購入される方向けに、ニーモのアトムをご紹介しました。このモデルは耐久性のある素材を使用していながら、重量が1.28キログラムでありトータルバランスが優れていると言えます。また、他の山岳用テントと比較しても購入金額が安い点も見逃せません。
テント泊を始めるには、最低でも「テント本体+シュラフ(寝袋)+テントマット+大型ザック」が必要となり多額の出費が伴います。是非良い品物を選んで、テント泊を楽しんでください。ニーモのアトムは、オススメできる一品です。
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