この記事の対象者
- 日帰り登山でもヘッドランプが必要なことを知らない人
- ヘッドランプの選び方のポイントを知りたい人
- 持っているヘッドランプが古いので、新しいヘッドランプを探している人
- お店には色んなヘッドランプがあって迷うので、一先ずオススメモデルを知っておきたい人
- この記事を読んで、楽天やYahoo!でポチっても良い人
はじめに
ヘッドランプは登山の必須アイテムです。もしも、あなたの周りに日帰り登山ではヘッドランプは必要ないと思っている人がいたら「それは間違っている」と教えてあげてください。例えば、下山途中に空が分厚い雲で覆われてきて、その天候の中で樹林帯に入ると薄暗くて良く見えないことは普通にあります。木の根っ子が濡れているとめっちゃ滑るのですが、薄暗くて良く見えないため木の根っ子を踏んでしまい、思いっきり滑って足首を痛めてしまった、バランスを崩して転倒し腕や腰を痛めてしまったなど大きなリスクを伴います。それに、痛い思いをするとツマラナイですし、同行者にも余計な心配をかけてしまいます。
この様なリスク回避のためにも、日帰り登山でもヘッドランプは常に携帯するようにしましょう。そして躊躇することなく点灯するようにしましょう。
それと、説明するまでもないですが、山小屋泊、テント泊においてヘッドランプはバリバリ活躍します。懐中電灯では片手が塞がってしまうため何かと不便ですが、ヘッドランプは両手が使えるため凄く便利で重宝します。
ここでは、登山の必須アイテムであるヘッドランプの選び方のポイントを整理し、筆者の選んだおすすめモデルをご紹介致します。
選び方のポイント
ポイントその1 明るさ
明るさは「ルーメン」という単位で表現され、数値が大きいほど明るくなります。最近は200ルーメン~400ルーメンのモデルが一般的になってきています。そうすると50ルーメン~100ルーメンだと心もとない気がしますが、この明るさでも登山道は良く見えます。しかし、自分が100ルーメンのモデルを使用している場合に後続者が200ルーメンのモデルを使用していると、自分の影が邪魔して登山道が見えにくくなる事があります。実は私が使用しているヘッドランプは8年ほど前のモデルのため、最近のモデルを使用する人が後ろを歩いていると影ができ、正直申し上げると「悔しい」というか「負けた気」がします。したがって、明るいモデルを使用している人に前を歩いて頂くように促しています。
ということで、200ルーメン~400ルーメンのモデルを選んでおけば物理的な明るさも、自分の心の明るさも問題ありません。もっと明るいモデルもありますが、トレイルランニングなどの走る人向けのモデルになるため、登山用途ではオーバースペックだと思われます。もし、テント場で900ルーメンなどの明るさで照射されたら「目潰し」攻撃以外の何物でもないですから。
ポイントその2 赤色光
テント泊、山小屋泊をする人、今は日帰りメインだけどテント泊、山小屋泊へのステップアップを考えている人は、「赤色光」が使えるモデルを選んでおくと良いです。この赤色光は、暗闇に慣れた目でも眩しさを感じにくいため、消灯後の山小屋、テント場、天体観測、夜間撮影などで他人に配慮して使用することができます。
「赤色光」は、テント泊、山小屋泊をする人のマナーと言っても良いと思います。
ポイントその3 操作性
ヘッドランプの操作性は凄く大事です。最近は明るさだけでなく高機能化も進んでおり、「ほげほげモード」的なモード切替もあり、事前に操作を頭に叩き込んでおく必要があるモデルもあります。もちろんメーカー間では操作が違いますし、同じメーカ内でも新旧モデルにより操作が異なる場合もあります。操作についてはJIS規格やISOで統一してくれると良いんですが。
私の経験では、操作性については「シンプルイズベスト」であり、その様な商品がやはり一番良いです。例えば、操作ボタンは1つだけど、シングルクリック、ダブルクリック、トリプルクリック、長押し等のボタンアクションでモードが切り替わるモデルよりも、ボタンを押すとモードが順番に切り替わるようなモデルの方がシンプルで分かりやすく使い勝手が良いです。
ただし、ボタンを押しすぎて目的とするモードを通り越すと、もう一度目的とするモードまでボタンを押す煩わしさはありますが、せっかちな人でなければ耐えられるはずです。
ポイントその4 照射時間
ヘッドランプにおいて明るさと照射時間はトレードオフの関係にあり、明るいとバッテリや電池を消費するため照射時間は短くなってしまいます。両方必要とすると、バッテリの容量を大型化することになり重くなってしまいます。
ではどうするかですが、ヘッドランプを使用する状況を整理すると、自ずと分かると思います。例えば、2泊3日のテント泊縦走をすることがあるならば、テント場で3時間使用するとして最低でも6時間あれば大丈夫だとか、日帰り登山ならば4時間あれば大丈夫だなどです。なお、リスクヘッジとして予備の電池を持参することは前提です。
ポイントその5 電源
電源とは電池のことです。ヘッドランプのモデルにより電池に特色があります。専用電池しか使えないモデル、単3乾電池が使えるモデル、単4乾電池が使えるモデル、電池交換ができないがマイクロUSBで充電できるモデルなど。
こちらも照射時間と同じく、ヘッドランプを使用する状況を整理すると、どの様な電源のモデルが良いのか自ずと分かると思います。例えば、単4乾電池が使えるヘッドランプであれば、テント泊に単4乾電池が使えるランタンを持参することで、いざという時に電池を共用できるとか、マイクロUSBで充電できるモデルであればモバイルバッテリーを持参すればスマホと共用できるなどなど。
ポイントその6 照射距離と照射幅
照射距離(スポット)はどこまで遠くを照らすことができるか、照射幅(ワイド)はどこまで広範囲に照らすことができるかになります。最近のヘッドランプは、スポットとワイドのミックスになっているモデルが多い様です。明るさを下げるとスポット側が消えてワイド照射のみになるとか、電池持ちを良くする工夫もされています。
照射距離(スポット)があると登山道の先の方が見えるため安心感を得ることができますが、足元の方は見えにくくなります。一方、照射幅(ワイド)があると足元が良く見えるため安心感を得ることができますが、登山道の先の方は良く見えません。
この様な特色がありますが、最近のモデルはスポットとワイドのミックスであるため、ミックスのモデルを選んでおけば間違いないでしょう。
登山用ヘッドライトのおすすめモデル
PETZL(ペツル) アクティック コア
登山用ヘッドランプと言えばPETZL(ペツル)かBlack Diamond(ブラックダイヤモンド)というほど、2大メジャーなメーカーです。どこの登山用品店やスポーツ用品店の登山コーナーに行っても、この2メーカーは置いてあります。
PETZL(ペツル)はフランスのメーカーですが、このペツルのヘッドランプの特徴は、なんと言っても「操作性」が全てのモデルで統一されている点があげられます。一度覚えれば、ペツルの新しいモデルを購入しても同じ操作で使用することができます。しかも操作が簡単なんです。
・OFF→1回押し→弱→1回押し→中→1回押し→強→1回押し→OFF
・OFF→長押し→赤色光→1回押し→赤色光フラッシュ→1回押し→OFF
ボタンを繰り返して押すと明るさが調節でき、長押しすると赤色光になるというシンプルな操作です。
今回ご紹介するアクティック コアは、「コア」と呼称する充電可能なバッテリーを使用し、このコアはマイクロUSBのインターフェースであるため、モバイルバッテリーで充電可能です。それと、単4乾電池3本でも利用可能であるため、乾電池を持参しておけばいざという時の安心感があります。
項目(単位) | 白色(弱) | 白色(中) | 白色(強) |
---|---|---|---|
明るさ(ルーメン) | 6 | 100 | 450 |
照射時間(時間) | 130 | 8 | 2 |
照射距離(メートル) | 8 | 45 | 90 |
項目 | 仕様 |
---|---|
重さ | 75グラム |
照射範囲 | ミックス、ワイド |
赤色光 | あり |
その他 | マイクロUSBで充電可能なバッテリー「コア」付属 |
Black Diamond(ブラックダイヤモンド) リボルト
Black Diamond(ブラックダイヤモンド)は、ヘッドランプでもメジャーなアメリカのメーカーです。操作は、シングルクリック、ダブルクリック、トリプルクリック、長押し、タップなどのアクションがあり、新旧モデルによって操作が変わったりします。最新モデルでは2つのボタンが搭載され、1つは点灯用、もう1つはモード選択用という様により分かり易い操作にブラッシュアップされています。
今回ご紹介する「リボルト」は、充電可能なリチウムイオン電池が付属されており、マイクロUSBをヘッドランプ本体に挿すことで充電できます。単4アルカリ乾電池3本でも利用可能であるため、乾電池を持参しておけばいざという時の安心感があります。
Black Diamondのヘッドランプの特徴としては、ディミングと呼称する無段階の調光機能があり、その時々に適した明るさに調整可能であることです。弱だと暗いし、中だと明るいので、弱よりももう少し明るさが欲しいという様なシチュエーションで活躍します。
項目(単位) | 白色(弱) | 白色(中) | 白色(強) |
---|---|---|---|
明るさ(ルーメン) | 調査中 | – | 350 |
照射時間(時間) リチウムイオン充電池 | 120 | – | 3 |
照射時間(時間) アルカリ乾電池 | 200 | – | 4 |
照射距離(メートル) | 8 | – | 80 |
項目 | 仕様 |
---|---|
重さ | 90グラム |
照射範囲 | ミックス |
赤色光 | あり |
その他 | 充電可能なリチウムイオン電池付属、 ヘッドランプをタップすることで明るさの切り替え(最大⇔選択した明るさ)が可能 |
Ledlenser(レッドレンザー) MH5
レッドレンザーは、1993年にドイツで創業したLEDライト専門メーカーです。後発でありながらも国際的なメーカーになっていることを考慮すると、良い商品を提供していることが推測されます。
一般的なLEDヘッドランプは反射板で集光しているのですが、この方式では光にムラが出てしまいます。一方、レッドレンザーは、反射板とレンズを組み合わせることで光のムラを排除し、クリアというかフラットな照射を実現しているのが特徴です。
それと、光が当たっている部分と当たっていない部分の境目がハッキリしている点も特徴といえるでしょう。
今回ご紹介する「MH5」は、レンズの周りにダイヤルがあり、そのダイヤルを回すことで照射範囲をワイドにしたり、スポットにしたりすることができます。先にも書きましたが明暗の境目がハッキリしているため、スポットにすると光が当たっている部分はクリアに照射されますが、手前は真っ暗になります。
操作はシンプルで、ペツルに近しい操作感になります。
・OFF→1回押し→弱→1回押し→強→1回押し→OFF
・OFF→長押し→赤色光→1回押し→OFF
リチウムイオン専用充電池が付属しており、専用のマグネット式USB充電ケーブルをヘッドランプ本体に装着することで充電できます。また、単3アルカリ電池1本でも利用可能であるため持参しておくと安心感があります。
項目(単位) | 白色(弱) | 白色(中) | 白色(強) |
---|---|---|---|
明るさ(ルーメン) | 20 | なし | 400 |
照射時間(時間) | 35 | なし | 4 |
照射距離(メートル) | 40 | なし | 180 |
項目 | 仕様 |
---|---|
重さ | 94グラム |
照射範囲 | スポット~ワイドを手動で設定 |
赤色光 | あり |
その他 | リチウムイオン専用充電池付属、充電用USBケーブル付属 |
まとめ
登山用スポットライトは、メーカーはそれ程多くないのですが、色んな種類が販売されています。悩んでしまう場合は、今回ご紹介したペツルのアクティック コアを選んでおけば間違いありません。操作はシンプルイズベストです。
レッドレンザーのMH5は、光学レンズが使われており、そのレンズをカメラのズームレンズの様に回すところがメカっぽい感じがあり所有欲をくすぐります。もちろん操作性もシンプルであり、照射性能も優れていることもポイントになります。
ブラックダイヤモンドは今回紹介したリボルトの様に、最新モデルから2ボタン式になり操作性が大幅に改良されている点は評価に値すると思います。
コメント