【テント泊初心者】シュラフ(寝袋)選びのポイント

テント泊
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はじめに

 テント泊の必需品であるシュラフ(寝袋)ですが、どんなタイプがあって、どういう基準で選べばよいのかを整理します。選び方を間違えると「低体温症」になる恐れもありますので、選び方の基礎知識として習得していただき、購入に失敗しないようにしていただければと思います。

 秋口の2,000m付近のテント場では最低気温が0℃程になりますので、夏場のキャンプ場で使用する様なペラペラのシュラフを2,000m付近のテント場で使用すると寒くて寝れないかもしれません。間違った使い方をすると命に係わりますので、くれぐれも抜かりの無いようにしてください。

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この記事の対象者

  • テント泊にシュラフが必要なのは分かっているけど、選び方が分からない人
  • キャンプで使ったシュラフを持っているけど、登山でも使えると思っている人
  • 登山用品店にシュラフを買いに行く前に、基礎知識として習得しておきたい人

選び方のポイント

ポイントその1 素材

 まず、シュラフの素材について知識を習得しましょう。シュラフの素材は「ダウン」と「化繊」の2種類あります。各々の素材にはメリット/デメリットがあり、下表にそれらを整理します。

素材メリットデメリット
ダウン・軽い
・収納がコンパクトになる
・長く使える
・濡れると保温力が落ちる
・価格が高い
・シュラフカバーも必要
 ※必須ではなく不要なモデルもある
化繊・価格が安い
・濡れても保温力が落ちない
・少し重い
・収納がかさばる
・寿命がある
素材別のメリット/デメリットの整理

 整理した表の項目個々についての説明は長文となるため割愛致しますが、押さえておくべきポイントを解説します。

ダウンについて

 ダウンジャケットをイメージしていただければ理解しやすいと思いますが、ダウンつまり羽毛を素材に使用しているため軽くて暖かいですよね。シュラフも同じです。収納もギュッと圧縮することができるためコンパクトになります。使用するダウンの量によって価格が異なりますが、夏山で使用するモデルで概ね3万円程度します。春や秋の気温が下がる時期でも使えるモデルだとダウンの量が増えますので、もっと高価になります。冬用だとダウンがモコモコになるためもっと高価になります。

 ダウンの厚み(ロフト)で保温力をキープするのですが、濡れると厚み(ロフト)が薄くなり保温力が低下するというデメリットがあります。これを阻止するためシュラフカバーを別途購入して、シュラフをくるんで濡れないようにする必要があります。ただし、最近はシュラフカバー不要なモデルがラインナップされてきていますので、購入するならシュラフカバー不要モデルが良いですね。

 ダウンは使用していると湿気等で保温力をキープするロフトが薄くなってきますが、干すことで元に戻りますので、ダウンのシュラフは長く使えると言われています。ただし、きちんとメンテナンスすることが前提となります。

化繊について

 化繊はポリエステルを使用しているモデルが多いと思いますが、ダウンと異なり濡れても保温力が低下しないことが魅力その1になります。それと何といっても価格が安いのが魅力その2です。化繊のデメリットとして「重い」「かさばる」が挙げられますが、ダウン+シュラフカバーをセットとして考えると、「重い」「かさばる」についてそれほど差が無いことが分かります。また、購入金額は半額以下になります。

 化繊は長く使用していると、布団と一緒で素材のヨレなどが生じるため、その様な状態になると寿命であると言われています。しかし、1年に10回使用するとしても、そんなヨレが生じるまで10年は余裕で使用できるのではないかと推測しています。

ポイントその2 限界使用温度

 シュラフを選択する際に一番大切なのが、この限界使用温度になります。シュラフメーカーによって表記が異なるのですが、「外気温が最低何度までなら快適に使用できる」という表記が必ずあります。その表記の温度よりも低い外気温の環境で使用した場合は、寒くて寝れない状況に陥るリスクが生じます。最悪「低体温症」になる恐れがありますので、ご自身が使用するシチュエーションを良く考慮したうえでシュラフを選択する必要があります。

 厳冬期に使えるモデルを選択しておけばリスクヘッジできるだろうという安易な考えをする人は居ないと思いますが、もしその様なモデルを夏の1,000m程度の場所で使用した場合、暑くて快適な睡眠をとることはできないと思います。適材適所といいますか、使用するシチュエーションに合致するモデルを選ぶことが大切になります。

 シチュエーションについては下記を整理してみてください。

  • テント泊に行く時期(例:6月初旬~9月末)
  • テント泊に行く場所(例:上高地、涸沢、尾瀬、奥秩父、八ヶ岳など2,000m付近)
  • 性別(女性は男性より寒さを感じやすいためマイナス5℃)

 これらの整理ができたら、テント泊に行く場所と時期の最低気温が何度位なのかを把握することで、おのずと選択肢の絞り込みができると思います。テント場の最低気温をどの様に知るかですが、標高が100m上がると気温が0.6℃下がると言われています。つまり1,000m上がると気温は6℃下がる。よって、その山の麓の最低気温を知ることで、テント場の概ねの最低気温を算出できます。

 最低気温を調べるにはコチラ↓
 気象庁|過去の気象データ検索

 涸沢(2,300m)を例にすると、気象庁の過去データより麓である松本市の標高が610m、6月最低気温14.9℃、9月最低気温15.9℃となっています。松本市と涸沢の標高差が約1,700mあるため、1700m ÷ 100m × (-0.6)℃ = -10.2℃ ≒ -11℃となり、涸沢の概ねの最低気温が4~5℃になることが分かります。従ってリスクヘッジすると「限界使用温度0℃」のシュラフを選択すれば良さそうであることが分かります。※女性の場合は寒さを感じやすいため「限界使用温度-5℃」のシュラフが良さそう。

 こんな感じでシュラフを選択できますが、不安がある人は登山用品店に行って店員さんに良く相談すれば、シチュエーションに合致するシュラフを選択できることと思います。

おすすめメーカー

 登山向けシュラフメーカーのホームページを見るとシュラフの選び方とか記載されていますので、購入前に一度見ておくことをお勧め致します。ここでは代表的な登山向けシュラフメーカーを順不同で整理しておきますので、シュラフ選択時の参考にしていただければと思います。

メーカー代表的なモデル備考
NANGA(ナンガ)日本・オーロラライト
・オーロラ
シュラフカバーの要らない寝袋の元祖的モデル。
使用しているダウンのクオリティが高いことでも定評がある。
モンベル日本・ダウンハガー寝袋に入っても体を動かすことができる伸縮性がある。
ISUKA(イスカ)日本・エアシュラフ専門メーカー。
登山向けシュラフメーカー一覧

 こちらにリストした3メーカーのモデルなら間違いありません。私はISUKA(イスカ)のエアを使用していますが、初めてシュラフを購入される方にはNANGA(ナンガ)のオーロラライトをお勧めします。私も次に購入するときはNANGAのオーロラライトにしたいと考えています。

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